???ジョン・カーペンター監督が出世作『ハロウィン』に続いて放った恐怖映画。アントニオ・ベイの海辺の村に、奇怪な霧が発生。そこから現れたゴーストたちが、手に持った剣で村人たちを次々に襲っていく…。 ???閑散とした海辺の村、そこで行われる百年祭。灯台のラジオ局から流れるDJのトークと音楽、そして100年前に難破した船の謎。恐怖を盛り上げるための舞台装置を充分。ところがカーペンター監督は、即物的な恐怖を演出することよりも、そのシチュエーションを丁寧に描くことを優先させた。その結果、悲鳴を上げるほどの恐怖シーンはないが、惨劇に至るまでの描写の巧みさが光る知的な恐怖映画となった。光る霧がドアの隙間から侵入する映像は見る者の想像力をかきたて、ジャネット・リー、ジェミー・リー・カーティスのスクリーム・クィーン母娘の共演が期待感を倍増させる。(斉藤守彦)
何を観ていたんだろう 観なおして改めて凄いなと思う。 この作品だけでない。カーペンターの映画は「ニューヨーク1997」や「ゼイリブ」にしてもファシズムやマインド・コントロールの問題を取り上げたり、「パラダイム」では聖書の問題に踏み込むなどなかなか政治的にラジカルな作品が多い。みな映画が公開された当時はB級だのこんなものホラーとしては邪道だなど言われてたけど、今改めて見直すとそうとう政治的な作品が多い事に気がつく。
「ザ・フォッグ」も歴史問題や差別の問題に鋭く切り込んでいて、しかもそれが避けれない問題であった事も織り込んだ末だから余計に感心させられる。舞台になる街の歴史はもともとアメリカの建国の歴史の問題が監督の頭にあったのだろうが、今見てみると世界規模で見られる問題で凄く深いものを感じさせられる。
登場人物で一番印象深いのがエイドリアン・ハーボー。街のために家族の安全も放り出して職務を全うするDJ役が強烈である。
本当のホラー映画の傑作 自分は、ロメロ監督のゾンビ作品やサムライミ監督の死霊のはらわたなどの作品が好きで敬愛していますが、このザ・フォッグの作りてのジョン・カーペンター監督は特に敬愛しています。このまえ、ザ・フォッグのリメイク版が出ましたが、観る必要はありません。まさに、1979年のこの映画こそ、今流行の過剰なスプラッターもなく、シナリオもしっかりして、世界観と人物描写と誰が軸になる主役か又、大事な演出面も最初のシーンから静寂な港と灯台、音も余計な雑音もなく、これからいったいどんな恐ろしい事が起こるのか、中盤、後半においても、得体のしれない何物かが、静かに霧と共に襲い掛かってくる、いったいどうしたら、なんでこんな事がとすこしづつ、謎が解けてゆきます。最後の方の教会のステンドグラスが妖しく光り、霧がドアの隙間から入ってくるシーンと最後気を抜いて観ている時に、起こるシーンは鳥肌ものです。観ていない方は本当に是非どうぞ。
秀作。 「ハロウィン」で大ヒットを飛ばしたジョン・カーペンターの純(?)ゴシック・ホラーです。上り坂にある時期だっただけに、本作はとにかく良く出来ています。出来不出来の差の激しいカーペンター作品の中では五指・・・いや三指に入る秀作でしょう。物語のテンポも良く、サスペンス・シーンの盛り上げ方はなかなか堂に入っています。ジャネット・リー&ジェイミー・リー・カーティス親子の共演など映画ファンに対する目配せも嬉しいところです。最近本作がアメリカ本国でリメイクされ、予告編がインターネットでも見られますが、お定まりのCGを多用したモンスター造形にはがっかりさせられました。残念なことです。
カーペンターらしさ この「ザ・フォッグ」のデジタルニューマスター版を待ち望んでました。発売延期になったりとヒヤヒヤさせられましたが、入手して見てみると四半世紀前の映画とは思えない画質に大満足です。カーペンター作品の中ではわりと地味な扱いをされていますが、個人的には「要塞警察」「ハロウィン」「遊星からの物体X」などと並んで、カーペンターらしさが色濃く表れた名作だと思います。基本的にサービス精神が旺盛な監督ですから、後の作品では何でもかんでも盛り込んでつかみ所の無い作品も見受けられますが、70〜80年代はわりとシンプルで完成度の高い作品が多く、この「ザ・フォッグ」もそういった時期の作品です。 霧という題材を見事に活かした映像表現も見事で、音も無く静かに忍び寄り、家を包み込み、町を飲み込んでゆく様には戦慄を覚えます。また視界を遮る真っ白な霧の中から突如現れる薄汚れた黒い幽霊という設定も恐怖を倍増させています。ストーリーには謎解きの要素もあり、次第に全容が明らかになる展開で退屈させません。 特殊メイクは「遊星からの物体X」や「ハウリング」などのアーティスト、ロブ・ボッティンが担当しており、自ら幽霊のリーダー役を演じている事は有名ですね。でも今回DVDを購入してエンドクレジットをよく見てみると、他にも色々なお遊びが隠されている事に気付きました。例えば、ダンという役名のフルネームがカーペンターの旧友”ダン・オバノン”だったり。。。 現在アメリカではカーペンター製作総指揮のリメイク版「ザ・フォッグ」が公開されていて、好調な興行を続けています。「遊星からの物体X」「光る目」など、もともとリメイク好きのカーペンターが自作のリメイクをどう仕上げたのか、非常に興味深いですね。「要塞警察」のリメイク企画もあるという噂ですし、カーペンターファンには楽しみが続きますね〜!
詩情溢れる名作ホラー 海辺の鄙びた町に100年前、非業の死を遂げた者どもが亡霊として蘇り、恨みを晴らすべく不気味に光る霧と共にやって来る。 等とストーリーだけを追うと「古めかしい」の一言で片付けられそうではあります。 しかし全編を通じて海辺の町の雰囲気が非常に良く出ていて「ホラー然」とした殺伐さが薄い不思議な作品です。 時折はさまれる海岸線や灯台の風景は恐ろしく美しいのですがその空間の広がりは同時にどこか見る者を不安な気持ちにもさせて効果的。 複数の登場人物が同時平行で霧の脅威にさらされる後半は本来なら視点がぶれて緊迫感をそぎかねないとも思えるのですが、そこに全体を一段高い場所(町から離れた灯台)から見渡す人物を配置することで回避するというのはお見事ですね。 しかもその人物をコミュニティ放送のDJに設定することでラジオ放送を通じてバラバラに動いていた登場人物達をクライマックスに向けてまとめて行くというのも上手いアイデアですねぇ。 最近のホラー諸作と比べるとペースが遅いと感じるかもしれませんがその分じっくりと作品の世界を作り上げる事に成功しております。 きちんとハラハラ・ドキドキさせてくれますが安易な流血シーンなどは殆どありませんので「ホラー食わず嫌い」の方や女性の皆さんにもおススメします。 追記:因みにこの作品、2005年にリメイクされました(2005年秋全米公開)。予告を見る限り基本設定も印象的なシーンもそのままのようでビックリです。新作と見比べるのも面白いかも知れませんね。
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