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新たなる産業政策に向けた提言 ○タイトル中には「経済政策」とありますが、本書はむしろ新たな「産業政策」を提言するものです。
○産業政策という言葉は古びた感がありますが、金融政策、財政政策といったマクロ経済政策が通用しなくなった現在こそ、ミクロ的視点に立脚した産業政策が必要というのが本書の主たるメッセージです。
○グローバルな市場統合によってもたらされた「価格革命」(工業製品のディス・インフレと原燃料のインフレの共存)が現実となった今、日本経済の繁栄のために必要なのは、旧来の輸出立国モデル(加工貿易モデル)からの脱却と資源外交・省エネ投資など環境・エネルギーに根ざした産業政策へのシフトです。著者は、経済産業省の外局である資源エネルギー庁と2002年に廃止された農林水産省の外局である食糧庁とを統合し、「資源省」を設立することが焦眉の急だと主張します。
○本書を読めば、失われた10年の間に日本が失った戦略的な産業政策が、日本経済が危機にある今まさに再検討されるべきであることがひしひしと伝わってきます。
○経済産業省は、昨年の9月、新経済成長戦略を改訂しました。その主張の軸である「資源生産性の向上」は、本書が指し示す新たなる産業政策の方向性と一致するものと言えます。
○本書が政策当局者、エコノミスト、学者など幅広い人々に読まれることにより、深い産業政策論議が巻き起こることを期待します。
製造業にも有益な指摘が多数あります この本の真の価値は経済政策に関する部分ではないと思います。 数多くのデータから導き出される結論は、施政者のみならず製造業の方々にもぜひ読んで頂きたい。 かくいう私も製造業に勤める若輩者ですが、これからの自分の仕事に大いに役立てることができそうです。
マクロ経済政策の限界とミクロ政策を基礎とした国家戦略の必要性を説く 金融政策の限界を説き、世界の変化に対応した構造政策の必要性を説く。構造政策については小泉政権で進められた”構造改革”の的外れさ加減を指摘し、本当に必要な構造変革について提案する。
本書のポイントをまとめると、
1.マクロ経済政策ではもはや市場をコントロールすることはできない。なぜならグローバル化された市場と、インフレとデフレが共存するような今日の経済構造はマクロ経済学ではとらえることができないからだ。
2.今必要なのは、金融政策ではなく、資源、貿易、金融、製造業などそれぞれの領域でおこっている構造変化に対応したな構造政策である。
3.構造改革は何でも民営化すればよいというものではない。民営化するもの、国が積極的に関与するものを峻別する必要がある。特に、産業の上流に位置する資源エネルギー分野においては国としての競争力を保つために政府が積極的に関与すべきである。
日本が取るべき方向を国家戦略の幅広い観点でとらえた意欲的な書である。
今や、為替相場や株式相場をも動かす榊原さんの最新の主張 本書が指摘する大きなテーマは原材料・穀物などのコモディティーの長期的な需給逼迫化、そして、日本のお得意のハイテク商品のコモディティー化といったパラダイムシフトが現在、進行しつつある、つまり戦後の高成長時代に日本のお家芸としていた安い原材料を用いて ハイテク商品、家電製品を海外へ売り、外需で国を運営するという政策はもう通用しないということである。
円高が進み、この状況は当分続くであろうからから、一時的には苦しみはあっても、日本にとってメリットをもたらす円高によって日本の内需活性化政策に抜本的に転換せよ、つまり、円高が日本の国益になるように人々の考え方を始め、全ての政策を大転換せよということが本書の大きなメッセージである。
旧大蔵省では、エリートの対極の異端児(落ちこぼれ)として傍流を歩みながらも、自分の主義主張を貫いた生き方をしてきた榊原さんのこれからの日本を思う本書での提言は多くの人が耳を傾ける必要があろう。
簡潔にして骨太の政策論議 新書版なので失礼ながらあんまり内容に期待しないで読み進めたが 非常に簡潔にこれまでの小泉・竹中路線といわれている経済政策の 「構造的な」誤りを感情的なトーンではなく冷静に批判している。
ご自身の専門である為替政策についても、03年以降の日本の巨額な 「円売り・ドル買い」介入についても、米国側の担当責任者である テーラー財務次官が許容していた事実や04年3月の介入打ち止めに ついても興味深い裏話を紹介している。
テレビで見る榊原氏は人を小馬鹿にしたような物言いがあるので 嫌いな向きもあるかもしれないが、きちんとした経済・金融市場 への洞察に基づいての発言だと、本書を読めば理解できよう。
いい加減な企画が目立つ最近の新書であるが、これはお買い得本である。
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