|
|
国民的名作第4巻、浪士海軍誕生 勝海舟の支援を受けて神戸の海軍塾で志士たちを集める竜馬。時勢がくるのを待ちつつ、軍艦を手に入れようと幕府要人や諸国大名などと知己を得ます。一方、幕末の世は一気に血生臭さを帯び、京都では新撰組が勤皇の志士たちを取り締まり始めます。そして長州のクーデター失敗と佐幕派の復権。土佐藩でも藩父山内容堂が帰国し勤皇派(というか倒幕派)を粛清、竜馬の盟友・武市半平太も切腹を言い渡されます。 いよいよ竜馬の活躍の舞台も海上に移り、幕末の風雲も吹き荒れ始めますが、千葉道場さな子との恋がその緊迫感を多少なりとも和らげてくれる第4巻です。
海から日本を眺め始める 坂本竜馬の物語、全8巻の4冊目である
4冊目が描くのは 勝海舟とともに、海軍塾を開き、船を浮かべる場面 念願であった自分の船を手に入れ、文字通り海から日本を眺め始める
凄惨な話が一つ 袂を分かった武市半平太とその仲間が、切腹に追いやられる 信念を貫き、死でさえも、その表現の一つとした武士たちが 時代の変わり目で消えていく
竜馬は、死を、かわしていく 生きながらえるためではない 大望を果たすために、である
新撰組とすれ違うシーンがいい 人ではなく、時代と戦っている竜馬に 土方や沖田が翻弄されている
竜馬飛躍の前と盟友武市の死 それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。 真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。 竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。 そりゃ胆力もつくわな。
土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。 そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。 観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。 その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。
4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。
「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。 司馬さんの竜馬評も楽しい。 「竜馬ほどおしゃれな男はまずすくない。ただおしゃれの才能が皆無なだけで、その気分は満々とあるのである」思わず声をあげて笑ってしまった。
新撰組登場! 「あの男は斬れませんよ。」
とは新撰組の沖田総司が土方歳三に言った言葉。 竜馬が新撰組と狭い露地で対面した時のこと。
「死なぬような生き方をしたい」と言った竜馬を、時代が必要としていることを感じたひとコマでした。
まるでマジックのように一日で長州が京から追われ、いよいよきな臭さが漂い始めた第四巻。
幕末へ。
読み応えがあった。
「天が血の犠牲を求めている」と、竜馬。
その犠牲になった竜馬の親友、武市半平太。 彼が生き続けていた明治を見てみたかったと思った。
そしてこの巻の特徴は、作者司馬遼太郎さんの私的意見が随所に見られるところ。 武士とは。切腹とは。そして明治維新とは。
とかく、読み応えがあった。
竜馬の恋。 お田鶴さま、さな子、おりょうと三人の女性を意識する竜馬。 武士の世界ではこのように何人も好きかもしれないと思うこと自体珍しかっただろう。 たとえ一瞬思ったとしても、武士たるもの・・・という姿勢になるだろうが、これもまた竜馬らしいエピソードだと微笑ましく感じた。 恋の行方も気になるところだが、メインストーリーの幕末の変動の時期、長州、薩摩の立場が情勢とともに変化していく。 この目まぐるしく変化する中で竜馬がどのような活躍をしていくのか5巻も楽しみです。
|
|