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切ない物語 飛行機の天井のスピーカーからビートルズの『ノルウェイの森』が流れてきたとき、 僕は18年前の二十歳の秋を思い出して激しく動揺した。
高校時代に自殺した親友キズキと、その恋人の直子と、僕、そして同じ大学のミドリ。 キズキの死は直子に深い傷を残していった。
冒頭から「記憶は確実に遠ざかっていく」と直子は過去の人として描かれ、 第一章は「直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。」と結ぶ。 回想という形ではじまるこの物語は、「僕」の二十歳の大学生の若さゆえの葛藤と、心の揺れの生っぽさを追体験していく。 静かともいえる描写の中ここに描かれているのは報われない愛。 第一級の切ないメロディ。
登場人物は、みな刹那的で、受身の生き方をしているように思う。 記憶が薄れていくことが冒頭で提示されているだけに、直子との静かともいえる回想は無常観とともに心にしみる。
80年代不良文学 大学は勉強をするところで、 女性と懇ろねんごろになる所ではない。 1987年当時ハードカバーで購入したが 捨て本となってしまった。
東洋作家としての”ハルキ ムラカミ” 村上春樹という作家に対して西洋かぶれしているという批判がなされるのをよく耳にする。 事実彼の作品の中には欧米、とくにアメリカにおいて生み出された大衆文化への嗜好がよく見られる。その上彼独特の気取った文体もあいまって好意的でない人には白人至上主義的なナルシストにしか思われないかもしれない。 しかし、彼は本当には非常に東洋的な思想背景を持った作家ではないだろうか、と私は思う。この作品においては特に顕著にその一面がでているようだ。この作品に現れている無常観、虚無感、縁起的な考え方はまさに原始仏教における考え方そのものではないだろうか?気づいてか気づかないでかはわからないが、彼は自身東洋的な一面を世界的な普遍性を持つ大衆文化でつつみこんで世界中に発信しているのであるのではないか?
切ない気持ちになる、喪失の物語 ワタナベ君と、亡くなった親友キズキの恋人直子との関係が淡々と描かれる物語。
キズキが死んだ時、ワタナベ君は大きな喪失感に包まれる。 直子にとってはそれ以上の、まるで自分自身を半分損なってしまった様な どうしようもない程の喪失感。
ワタナベ君は直子と共に互いに損なってしまった心の部分を埋めようとしたのだろう。 けれどもキズキと直子の関係は、他人の理解をはるかに超え強いもの。 あるいは直子はキズキだけを自分の人生の中心に置いた、純粋で弱い人なのかもしれない。
努力だけではどうにもできないものが人生にはあると示唆しているようだ。 運命のようなもの、人の気持ち、流れ去る月日など。
読後はたまらなく切ない気持にさせられる。 それでも一種の明るさというか清涼感のようなものも含まれるのは ワタナベ君の同級生、緑の存在があるから。
季節は人間の意志とは関係なくまわる。 冬がくれば枯れ落ちる運命の草木。そんな事を考えると物哀しい。 しかし風雪にさらされているその枝のなかでは やがて生命の輝きを見せる新芽も同時に存在する。 緑は名前といいその存在が、前向きな力、生命力、明るい予感といった物の象徴なのだろう。
20年前に読んだが少し過剰な性描写があったのを覚えていた程度。 今回読み直してみて良かった。 基本的に悲しい物語は好みではないのだけども、 春樹の作品で一番印象深いものはどれと問われれば、 それはノルウェイの森になる。
代表作といわれるだけあると思います。
ハードル上げすぎちゃったなぁ・・・ 著者の作品は今回初めて読みました。 代表作と言われてますし、評判がかなりいいみたいなので、 かなり期待しちゃったので、うーん・・・って感じでした。 まず、登場人物の会話が人間っぽくないし、みんな妙に理屈っぽくて個性がないというか、 ぼーっと思い返して見ると印象に残る人物が居ないように感じました。 (鮮明に思い出そうとすれば一応覚えてるんですが・・) 自殺してしまった人や、その人達との関係にも感情移入ができませんでした。 まあ、当然主人公にとって悲しい思い出っていうことは理解できるって程度。 ただ、結構引き込まれる雰囲気は確かに有るような気がします。 ストーリーやキャラクターじゃなく、この雰囲気 空気を楽しむ作品なのかな? 別に読みづらいわけでもないし、悪くはなかったです。 ただ、ちょっと期待が大きかったのでやっぱり星3つがMAXカナ・・
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